自動見積書の設置は是か非か?
最近お受けしているお仕事で、ホームページに自動見積発行システムを設置したいとの依頼がありました。
通販系のホームページでしたので、当然自動見積書発行が付いている事で、少しでも注文を増やす事につながると思います。
プラグインやWEBサービスなどで、後から設置する事も可能です。
しかし、自分の所に設置してはどうか?
と思いはじめ、設置する事はプラスなのか、マイナスなのか検討してみました。
自動見積書発行システムを設置するメリット
依頼を考えている方がホームページに訪れたときに、最終的に気になるのが価格だと思います。
問い合わせフォームやお電話で見積もりを依頼すれば良いことなのですが、そこにたどり着くまでに「離脱」してしまう方も少なからずいるのでは無いかと思います。
見積書が自動で発行されれば、安心して依頼が出来るという事で、依頼数も増える可能性があります。
ホームページで自ら価格を表示する事で、自社のサービスや価格に自身があるという意思表示でもあるので、会社のイメージも良くなる。
という考え方があります。
自動見積書発行システムを設置するデメリット
自社のサービス価格を簡単に知られるという点があります。
競合他社に価格を知られてしまう。という点です。
その場合、価格競争で他社に負けてしまう可能性があります。
また、お客様から金額が高すぎると思われてしまう可能性もあります。事前に説明をしたうえで見積書を出せば納得していただける場合も、見積もりシステムの場合は価格のみで検討されてしまう可能性があります。
また、金額が確定しますので掲示している金額より高い見積もりを出す事は今後出来なくなる。または出した場合不審に思われる可能性があります。
お互い納得したうえでの金額交渉が必要ではないかと思います。
解決法を考えてみた
ホームページからの依頼数をもっと上げたいと言う意志があるのなら、やはり価格表は掲示することがメリットになる場合もあります。
まず、制作についての詳しい説明。
商品の良さや、サービスのレベルの高さなどをしっかり訴える。
その上で、価格を見ることが出来るようにします。
その際に、「概算」という方法で掲示します。
見積書発行システムを使うと、正確に書面として発行されてしまいますが、価格表という形にする事で、概算価格を掲示出来ます。
ようは、大凡の金額だけ知ってもらうという形ですね。
さらに、内容により割引が可能である事も掲示します。
依頼内容によっては、先方がある程度原稿をまとめてくれたり、
掲載内容が非常に少なく簡単という場合などは、1ページいくらという価格では高いと感じられるかもしれません。
そのため、内容により50%程度まで割り引く場合がある。
などと掲示する事で、想定額に幅が生まれます。
実際に掲載していた時の話
実際に以前ホームページに価格を掲載していた事もありました。
その時に依頼を頂いた方は、安いという事で満足していただけていましたので、格安をうたう会社にとっては、良かったかもしれません。
しかし、クリエイティブ系の仕事の場合、デザインクオリティや、頻繁な打ち合わせ、修正の頻度など、後で後悔する場合も多々あります。
どちらにしても、価格を掲載する場合は、自社のサービスの内容や仕事に対するスタンスなどを考慮して検討すること。
また、後々後悔しないようにじっくりと検討する必要がありますね。
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代表 大津山 倖雄
クリエイティブディレクター
アートディレクター
Webディレクション、イラストレーション他、専門学校講師
1973年生まれ。福岡市で広告企画・制作に携わり30年以上。大手広告代理店の下請け会社で、グラフィックデザイナーを経験。その後、福岡の制作会社や広告代理店勤務を経て、平成18年4月に退職し、19年には個人事務所として独立。同時期、福岡デザイン&テクノロジー専門学校(旧 福岡コニュニケーションアート専門学校)にて講師契約。現在は、グラフィックデザイン、イラストレーション、WEBデザイン、WEBマーケティングに携わり、様々なクリエイターと共に制作を中心に業務を行っている。