Adobe Illustrator 最新機能とIllustratorの今後について
今回は、Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)CC(クリエイティブクラウド)の最新バージョンで、強化された機能をご紹介します。アドビイラストレーターとは、全世界で大多数のユーザーが使うグラフィックソフトで、日常で見ているロゴマークや印刷物、ホームページなどでも使われる、ほとんどのグラフィックを担っているソフトです。
約30年ほどの歴史があり、随時バージョン・アップし続けているソフトです。これまでの機能で十分満足していたのですが、新機能ではさらに、これまでに無かった強化がされているようです。
また、現時点ベータ版しか表に出ていませんが、イラストレーターの今後として、iPad専用のイラストレーターアプリの話もしたいと思います。
2019年にアップされた機能の話
この記事を書いている現在は2020年7月22日です。昨年2019年にアップデートされた機能について。
- パスの単純化
- 自動スペルチェック
- バックグラウンドでの保存と書き出し
パスの単純化により、アンカーポイントの数が少なくなり、単純にデータも軽量化されるという事です。すべて手動で効率的にトレースするのと同等のトレースをAIが行ってくれるレベルに達したようですね。
自動スペルチェック機能について、あれば便利だと思ってた機能が、今回より追加されましたね。スペルミスをチェックしてくれます。間違っている部分をなみなみ下線で教えてくれます。
バックグラウンドでの保存や書き出しは、今まで、重たいデータを触る場合、一々作業が止まってしまっていたのを、ストレス無く作業が出来るものです。パソコンの性能も格段と上がっているので、バックグラウンド保存中でも、十分に作業はできるという事ですね。
また、「効果」メニューのドロップシャドウや光彩などのレンダリングスピードも向上しています。
2020年にアップされた最新の機能について
2020年6月にリリースされた、最新の機能です。イラストレーターバージョン 24.2の機能について。
クラウドドキュメントが利用出来るようになりました。
クラウドドキュメントが利用可能になり、データをクラウドに保存し、別のデバイスでアクセス可能になります。また、作業中のデータを自動でクラウドに保存されます。作業中のバージョン履歴も保存され、過去のバージョンに戻すことも出来るようになります。
カンバスサイズが最大で100倍に対応!
カンバスの大きさは、作業スペースの大きさです。通常の作業の収まらない巨大な制作物を創る場合、アートボードの設定を変えると大きなカンバスが適用されます。看板や大型ディスプレイにも対応出来るようになります。
新規作成と保存のスピードを強化!
ドキュメントの作成・保存が高速化されました。クラウドドキュメントとして保存された場合は、4倍のスピードで保存されるそうです。
アドビイラストレーターの今後について
ipad版イラストレーターについての記事
https://www.adobe.com/jp/products/illustrator/ipad.html
アドビイラストレーターは、現在までアップデートで少しずつ性能は向上していましたが、大きな変化としては、2020年、今年ですね。iPad版のイラストレーターがリリースされる事です。現在ベータ版が発表されており、下記動画などでも紹介されています。
まだ、テスト版ではありますが、機能はほぼ出来上がっています。オブジェクトを回転コピーする機能(ラジアルリピート)や高度なパターン機能などは、手元の操作でダイレクトに見た目が変化するので、とても見てて楽しい機能であったり、トレースについても、手書きで書かれたラフスケッチを撮影し、その形を図形として自動でトレース出来ます。自動トレースは以前から機能としてはありましたが、今回は幾何学的で美しいトレースが可能になります。また、クラウドを利用しパソコンで作業を行い、移動中にiPadで続きの作業をすることも可能になります。金額や購入方法については、まだ未定なのようですので、私の場合は導入は現在検討中です。
今後のイラストレーターは、より直感的で、初心者でも高度な操作が可能なようになり、単純なオペレーションは、AIが自動でやってくれるようになります。しかし、デザイナーの仕事が無くなってしまう事は無いでしょう。よりデザイン力や発想力、センスが要求される職種になっていくのかと思っています。
これからの勉強については、より人間だけが持つ能力を活かすための勉強が重要になってくるだろうと思います。
編集後記
今回の記事を、イラストレーターの最新情報にしたのは、現在、買い切りで利用出来る最後の製品版、“CS6”を使用しているのですが、OSのバージョンアップに伴い、最新版への移行時期が迫ってきたと感じた事で、色々と情報を調べてみた所からでした。
正直な所、イラストレーターで出来る事は、旧バージョンでも全て出来ると思いますが、講師としてこれから教えていくにあたり、最新の技術を理解しレクチャーする必要があります。サブスクリプションになり、高額な出費になりますが、その他様々なアプリケーションが利用できるようになり、出来ることの幅が広がると、前向きに考えて導入を検討中です。何事にもお金がかかるな〜。
記事は毎日更新中です。フォロー・や記事についてのご連絡はこちら→メインTwitterアカウント
AdClip[アド・クリップ]
代表 大津山 倖雄
クリエイティブディレクター
アートディレクター
Webディレクション、イラストレーション他、専門学校講師
1973年生まれ。福岡市で広告企画・制作に携わり30年以上。大手広告代理店の下請け会社で、グラフィックデザイナーを経験。その後、福岡の制作会社や広告代理店勤務を経て、平成18年4月に退職し、19年には個人事務所として独立。同時期、福岡デザイン&テクノロジー専門学校(旧 福岡コニュニケーションアート専門学校)にて講師契約。現在は、グラフィックデザイン、イラストレーション、WEBデザイン、WEBマーケティングに携わり、様々なクリエイターと共に制作を中心に業務を行っている。