メール営業、電話営業の今後。
SNS広告やネットやメディアでの宣伝に移行するべき?
個人事業主として仕事を初めて十数年。事務所のメールや電話番号も業者の方々に回っているようで、営業のための電話やメールがけっこうやってきます。
今回は、そうった営業活動について、広告屋として思った事を書きたいと思います。
今後の営業活動の参考になればと思います。
広告以外の宣伝方法について
会社を運営するためには、仕事を得る必要があります。営業活動というのは大変です。
私たちが仕事として提供しているのは、DMやチラシ等の販促物が主です。商品や事業を宣伝しています。その中でも、効果の高いと言われていたのが電話営業、テレアポです。
また、Eメール広告などは、リスト販売業者から名簿を買って送るもので、送料が0のEメールは最小限の経費で送れる広告として、一時期は広告代理店などでも取り扱っていました。
メール広告について
現在、Eメール広告は、大量のスパムメールと同様に思われるため、広告効果は期待できません。
しかし、顧客の承諾を得た上で送るメール配信は、効果が期待できます。
ターゲティングメールやメールマガジン(メルマガ)など。
リストを集めるにしても、アンケートや情報のダウンロードなど、顧客側にメリットが有り、またメールを受け取るターゲットが名確になっている場合は、DMと同様に効果が期待できるようです。
実際は、ターゲットやリスト収集など、手間暇がかかり人員も必要となるので、そういった面もデメリットと言えるかもしれません。
ただ、闇雲にメール広告を送る行為はあまり良いとは思えません。スパムメールは日本で受信されるメールの約40%を占めると言われています。4割といっても、ターゲットとなる人は全体の一部ですので、その人に送られるメールの数はものすごい量になってきます。
そういった迷惑メールにまぎれて送られてくる広告メールは、極稀に問い合わせなどがあるかもしれませんが、その大部分では、企業のイメージを悪くしている可能性があります。
会社事業内容にもよりますが、数字に現れない面に関しても意識する必要があると私は思います。
電話営業について
また、テレアポといって、様々な方法で集めた企業の電話番号リストに対して、営業の電話をかける営業法です。これまで働いていた広告代理店でも、テレアポ事業を持つ会社もありました。
確実に企業の社員に対して、対話して営業するので、効果は数値として出てくるので、ある程度の規模で行えば効果は期待できると思います。
しかし、営業電話を受ける会社にとっては、その多くは興味のない情報を聞かされて、業務時間を削られてしまうので、一部の効果と共に、多数の企業に対して悪い印象を与えている可能性があります。
これは、営業電話を受けることの多い事務員さんなどに話を聞くと見えてきます。
また、営業電話としてかかってきた番号を、ネット検索すると、迷惑電話のサイトが表示され、営業電話の受け答えややり取りが、インターネット上にさらされている事がわかります。
この電話番号検索は、知らない着信などが何の電話なのか調べるのに役に立ちます。
営業電話に返信するというリスクも減らせます。
また、私の場合、事務所にいない事が多いので転送にしていますが、下手に知らない番号を取ってしまうと、転送の場合はこちらにも通話料が発生してしまいます。
これらは相手側の事を考えずに行う営業方法です。
テレアポの業者に依頼した場合も、企業名を言うわけですので、企業のイメージが悪くなります。
ネットで会社名を調べると、最悪、辛辣な電話営業のクチコミ情報が表示されるようになることもあります。
しかし、電話営業も悪いと一括りには出来ないようです。
業者を使わずに、実際にその企業で動いている営業マンが、丁寧に電話で連絡をしてきた場合、そう悪い印象はない場合もあり、人によっては高い営業成績を上げる人もいます。
これは、営業電話を受けた側に対して、1件1件丁寧に対応している事が伝わった場合、逆に良い印象になる事も多いようです。
印象が悪い営業方法
上記のように一般的な営業方法の中で、非常に悪い例もあります。
1つ目は、SEO対策業者の電話営業です。
SEOというのは、検索エンジン最適化といって、検索エンジンで上位表示されるための対策の事です。
過去に、外部のホームページから、リンクをしてもらうと、検索エンジンで良い評価を受けるという事で、無数に作った営業用のWEBサイトに、SEOのためだけに、リンクを貼る業者ですが、ある程度の金額を支払えば、膨大な被リンク(外部のサイトからリンクを貼ってもらう事)を貼ってもらえるというサービスです。
一時期は、それで実際に、検索上位に上がっていたのですが、現在は、そういった不自然な被リンクは、Googleのアルゴリズムにより、スパム扱いとなり、評価されないばかりか、最悪、ペナルティの対象となってしまう場合もあります。
Googleのペナルティとは、検索で上位に上がれないどころか、ブラックリストに登録され、評価を大幅に下げられてしまう事です。
こうなってしまうと、サイト自体今後上位に上がってくる事が非常に困難になってしまいます。
それに、SEO対策をうたう業者が、何故電話営業しているのか、というのも不自然な話です。
ものすごい広告効果がある商品を、一生懸麺電話営業しているわけですので、そのSEOを使って営業すればいいという事になりますね。
今では、少なくなりましたが、まだゼロではありませんので、そういった営業電話には気をつけましょう。
もう一つ、印象に悪い営業方法が、FAX広告です。
FAX広告とは、営業用のチラシやメッセージをFAXで一方的に送りつけてくる営業方法です。
これは、現在でもDMやチラシと比べて、少ない経費で送れる広告として、使われている営業方法なのですが、 送られてきた企業の殆どは、広告内容に興味のない会社です。そういった会社にとっては、自社のFAXに勝手に送られてきた広告は、通信量はかからなくても、用紙やトナー、カウント数など、わずかとはいえ、経費がかかっているわけです。
さらに、業者がリストを使いまわしている場合、何度も何度もいらない広告をファックするから受信させられる事になるので、会社にとっては特に印象を悪くしている事がほとんどです。
こういったFAX広告は、送っている業者よりも、依頼している会社の連絡先や社名、店舗名などが大々的に掲載されているので、その会社の悪印象を自ら宣伝しているようなものです。
ごく僅かな、効果のために、会社のイメージを悪くする事は、あまりおすすめは出来ません。
こういった悪印象を与える宣伝方法は、効果が数値のみで見ていてはいけないという事ですね。
効果的な営業方法として…
WEB集客の時代です。インターネットを利用して集客をする、WEBマーケティングは、効果的に行えば最小限の労力や予算で、大きな効果も期待できる分野です。
ある程度の予算を使えば広告効果もあがります。下手な電話営業やFAX営業よりも同等の費用で高い効果が期待できる分野です。
また、WEBで集めたリストをや既存客に、DMを送る。DMは、送る内容や送り方によっては高い効果が期待できると思います。個から個へ送るというシチュエーションになれば、より効果があがります。
個人的な知人に手紙を送ると、必ず見てもらえ返事を頂けると思います。DMもそういったシチュエーションを作り出せれば、同様の効果も期待できると思っています。
折込チラシ。新聞に折り込む広告物ですが、かなり昔から一般的に利用される広告ですが、インターネットの普及で、新聞の利用者数が減った事で、チラシを見ない世代が日々増えています。
しかし、世代が偏っていった事で、中年から高齢者世代、特に家事を行っている女性がチラシを見るという事がわかっています。そういったターゲットがしっかりしている事で、広告としてピンポイントの広告が打てます。また、地域も町単位で指定出来る事や、単価も1件3円程度と、リーズナブルなのも手軽に行える広告としては有効だと思います。
町単位で周知させたい、美容室やスーパーなどの広告は、折込チラシは効果が高いと思われます。
電話営業や飛び込み営業、FAXやメールでの営業など、様々な営業方法はありますが、SNSを利用したネット集客も期待できます。
ブログなども、WEBマーケティングにはとても有効で、一定の方法論を満たして行ったWEBマーケティングは、確実な効果を表します。
確実に集客をするためにも新しい分野と、これまでの古くからある方法を効果的に取り入れ、活かした営業を行っていく事は、これから必要だと思います。
最後に
営業、集客、広告などについての話でしたが、口コミ、紹介など、新規営業以外の事も大変重要で、リピートしてもらえる技術や仕事のやり方があってこその集客です。
当然、販売系の場合は良い商品であれば良いのかもしれませんが、アフターサービスやイメージ広告も重要です。受注仕事については、日々の仕事に対しての一つ一つの努力は絶えず行う事を忘れないように努力していく所存です。
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代表 大津山 倖雄
クリエイティブディレクター
アートディレクター
Webディレクション、イラストレーション他、専門学校講師
1973年生まれ。福岡市で広告企画・制作に携わり30年以上。大手広告代理店の下請け会社で、グラフィックデザイナーを経験。その後、福岡の制作会社や広告代理店勤務を経て、平成18年4月に退職し、19年には個人事務所として独立。同時期、福岡デザイン&テクノロジー専門学校(旧 福岡コニュニケーションアート専門学校)にて講師契約。現在は、グラフィックデザイン、イラストレーション、WEBデザイン、WEBマーケティングに携わり、様々なクリエイターと共に制作を中心に業務を行っている。