クリエイターの仕事の術
スケジュール管理・スケジュール表の話
今回はスケジュールをテーマにした話です。
上記のスケジュール表は、仕事の案件毎に作成するスケジュール表です。普段使っている予定表とは意味合いが違ってきますが、スムーズに仕事を進める上でとても重要です。
スケジュール表は、用途により使い分けます。仕事に関しては、案件毎のスケジュールを作成し、クライアントと共有する事で、仕事の遅延や全体のスケジュール感や、クライアントにやってもらう作業と納期の調整までも、打ち合わせ時に共有可能です。
これは、仕事の納期が送れる場合、その原因を特定するための証拠となります。また、遅れそうになる場合に、クライアントに納期交渉する根拠となります。
これをやっていない場合、最悪納期を守れなかったり、残業や徹夜作業に追い込まれてしまいます。
適当に雰囲気で仕事を進める事は、地図もなしに旅をするようなもので、到着するまでどのぐらいかかるか分からなくなります。
クリエイターが使っているスケジュール表
日間スケジュール表
1日1枚、仕事のスケジュールを管理するものです。一般的には会社やチームで仕事を行う場合に、誰が何の仕事をしているのか、今忙しい人と、暇な人、その日の作業予定などを管理者が把握するのに利用出来ます。一般的にはあまり使わないものですが、制作会社等、チームで仕事をしている人は一度試してみてはいかがでしょう。
PDF ファイル ダウンロード日間スケジュール上記のPDFファイルをダウンロードしAdobeIllustratorで編集可能。
週間スケジュール表
1週間単位でスケジュールを管理します。現在動いている案件のスケジュールを1週間分記載します。1週間単位で、どの仕事が急ぎの案件で、余裕のある案件がどれなのか一目瞭然になります。これもチームで多くの仕事を行う上で、役に立つスケジュール表です。職種により仕事のボリューム感が違うと思いますので、スケジュールの内容を見て、1人用かチーム用か選ぶと良いかもしれません。これらのスケジュール表は、グラフィックデザイン・DTP系の仕事用に作成したものです。
PDFファイル ダウンロード 週間スケジュール上記のPDFファイルをダウンロードしAdobe Illustratorで編集可能。
月間スケジュール表
月毎のスケジュール表です。一ヶ月間に動いている案件のスケジュールを確認するためのスケジュール表(進行表)です。作業納期までの細かな日程を記載しておきます。複数の案件を滞りなく進めるためには、様々な形はあると思いますが、このぐらいの進行表が必要になります。これは、仕事以外にも学生の課題制作や、スポーツの練習スケジュール等に利用しても良いかもしれませんね。各種スケジュール表をつけるのが面倒な場合は、この月間スケジュールだけでもスケジュール管理は可能です。
週間スケジュール
PDFファイル ダウンロード 月間スケジュール上記のPDFファイルをダウンロードしAdobe Illustratorで編集可能。
おすすめスケジュール管理アプリの紹介
上記の用に、印刷したスケジュール表に手書きで管理するアナログな方法以外に、デジタル上でスケジュールを管理出来るアプリがあります。クラウドを使って同期させることができる、便利なカレンダーアプリを一部ですがご紹介します。
タイムツリーは、スマホやタブレットで利用出来るカレンダーアプリです。グループで複数の人がスケジュールを共有でき、ネットワーク上で最新の情報を見ることが出来ます。また、共有グループ内でのタイムラインやチャット機能など、以前ではありえないような高性能のカレンダーアプリです。
ジョルテカレンダーは、実は私も使っているカレンダーアプリで、基本的な管理機能はすべて揃っているのと、家族間での共有も出来ました。また、様々な種類の情報カレンダーを付加する事が可能で、自分の地域のゴミ出し日やイベントカレンダー等。デザインの着せ替えなども出来るようです。※一部有料機能
上記2つのカレンダーも素晴らしいのですが、最も基本的なカレンダーと言えば「Googleカレンダー」です。パソコンとの共有ができ、Googleサービスのひとつなので、パソコンでも、スマートフォンでも標準で使える場合が多いアプリです。最初から使える事が多いので、最初に使ってそのままこれで良いやと使い続けている人も多いのではないかと思います。
実は、上記の2つのカレンダーは、このGoogleカレンダーと同期が可能で、パソコンでGoogleカレンダーを編集すれば、自動的にスマートフォンのTimeTreeやジョルテカレンダーでも同期されている状態が作れます。実際私のジョルテカレンダーもGoogleカレンダーと同期されています。
また、デジタルは苦手という人は、システム手帳のカレンダーも悪くはありません。少し前までは私もシステム手帳を愛用していましたので、あのアナログの手軽さは良いかもしれません。
通知で知らせてもらう機能などが欲しい場合は、アプリを使用し、仕事のスケジュール管理などは、手帳など、使い分けても良いかもしれませんね。
スケジュール管理は、人生の無駄を減らせる!
これまで、ハードなデザイン業界で仕事をしていた経験から、スケジュール管理がされていない仕事は、無駄が非常に多い。これは、上司やクライアント等、上の立場の人の責任とも言えるのですが、実は、20代前半の下っ端時代から、スケジュール作成だけは得意だったのもあり、当時電通の営業マンの方から、よくスケジュール作成を頼まれてました。案件ごとのスケジュールを正確に作成すれば、仕事の流れもスムーズになり、クライアントの動きも管理出来ます。
仕事が発生した時点で、スタートと納期がわかります。現在動いている案件と仕事量を確認し、普通に仕事をして納品できる工程とスケジュールを提案してあげれば、普通は仕事に追われることは少なくなります。また、無理なスケジュールで依頼された場合、自分がどのぐらい仕事を持っていて、何日何時間残業が必要なのかも、上司に伝えることが出来ます。外注先を利用したり、別のチームにヘルプをもらったり、何かしらの対策を事前に行えます。
スケジューリングは大変面倒な作業ですが、最初にスケジュールを管理する事は、自分のプライベートな時間や精神的なエネルギーを無駄にしないで済ます。早め早めに対策を打つことも可能なので、仕事にも信頼が生まれます。何度か仕事をするうちに安心して依頼出来る相手とみなされ、無駄に徹夜でバタバタやっているより、よりクオリティの高い仕事が出来ます。安定したクオリティで納品できるようになれば、先々はより良い仕事の依頼にも繋がります。
とは言っても残業や徹夜仕事でいつも追われているクリエイターの方が、すべてスケジュール管理が出来ないという事ではありません。実際は自分でスケジュール管理できる立場でない人も多くいると思いますので、どうしても忙しくなる事は避けられない場合もあると思います。
将来、独立して自分で仕事を回していくようになれば、自分の管理力で無駄のないスケジューリングをされると良いと思います。
そういった無駄な作業も、若いうちなら全て良い経験となります。
編集後記
今回の記事は、スケジューリングをテーマとしてみました。スケジュール作成はとても重要で、下手なスケジューリングをされると、仕事遅れてしまい、大変苦労する事になります。きっちりスケジュールが管理されていれば、どんなに多くの仕事を抱えていても、焦ることもなく、淡々と仕事をこなして、自分の時間も確保出来るというものですね。
記事は毎日更新中です。明日も当然更新予定です。明日のクリエイティブマガジンをお楽しみに。
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代表 大津山 倖雄
クリエイティブディレクター
アートディレクター
Webディレクション、イラストレーション他、専門学校講師
1973年生まれ。福岡市で広告企画・制作に携わり30年以上。大手広告代理店の下請け会社で、グラフィックデザイナーを経験。その後、福岡の制作会社や広告代理店勤務を経て、平成18年4月に退職し、19年には個人事務所として独立。同時期、福岡デザイン&テクノロジー専門学校(旧 福岡コニュニケーションアート専門学校)にて講師契約。現在は、グラフィックデザイン、イラストレーション、WEBデザイン、WEBマーケティングに携わり、様々なクリエイターと共に制作を中心に業務を行っている。