知って得する。クリエイターの 企業・独立開業向けマニュアル!

クリエイターとして起業!必要な物のリストを紹介

今日は、クリエイターとして独立起業する際に必要な物について紹介します。

私が開業届を提出したのは10年以上も前の話になります。実は当時の事は殆ど覚えていないのですが、現在、事業活動をしていく上で役に立っている物や必需品などの話をしたいと思います。

今回は、主にフリーランスとして独立する場合の話になります。株式会社として法人起業する場合は一部、違う内容かもしれませんのでご了承下さい。

 

事業所・仕事場について

オフィス

起業する時に、まず必要になるのは仕事をする場所です。

届けを出す場合も住所や連絡先が必要です。一般的なクリエイターの起業では、事務所を借りる所から始まります。専用の事務所を借りた場合、家賃は全額経費となります。それなりの売上が見込まれる場合は、事務所を探す事は正解だと思います。

しかし、クリエイターの多くは、1人で独立する所から始める事が多く、最初のうちは収入があまり見込まれない事から、家賃等の固定費は極力抑えたいと思います。そこで、最も簡単で低予算な方法は、自宅を事務所にしてしまう事です。広い家であれば、空き部屋などを事務所用に改造する事なども可能ですが、一人暮らしや家族と暮らしている人は、あまりスペースも取れません。しかし、多くのクリエイターは、自分1人が作業出来る場所と、少ない機材を置けるスペースがあれば十分ではないかと思います。その場合は、自分の部屋を小さなオフィスとすると良いでしょう。

確定申告時にも、自宅オフィスの場合、事業スペースの広さに見合った割合を経費として計上出来ることになっています。実際は家賃の半分ぐらいを計上する人が多いようです。電気代や水道代等の光熱費などの一部も経費として計上出来ます。

また、自宅で仕事をするのが困難な場合、レンタルオフィスがおすすめです。

知り合いの事務所に“間借(まがり)”する事が出来る場合は良いのですが、そんな知り合いもいないという人は、都心のオフィス街にあるレンタルオフィスの一角に自分のオフィスを置く事が出来ます。レンタルオフィスは、予算に合わせて“小さな個室”を借りる場合や、“デスク一つ分”、と借りられる形は様々です。地域にもよりますが、安いところであれば、家賃と光熱費、ネット回線も使えて、3万円程度から、の所もあったりします。電話も引けて郵便物も受け取ることが出来る場合が多いので、初期の事務所設立時にはうってつけですね。また、同じように起業した人達との出会いの場にもなっているようです。また、自宅と違ってだらけないで良いという人もいますね。また、専用のスペースを持たずに、その都度自分の好きな場所で仕事ができる、コアワーキングスペースなども人気です。オシャレなカフェのようなスペースで、美味しコーヒーでも頂きながらだと、仕事もはかどりそうですね。

 

電話やFAX/ネット回線について

電話機

前項で話をしていた、“仕事場所”に寄るところも大きいのですが、最低限欲しいのは、固定電話とFAX番号でしょうか。今の時代FAXは無くても問題はないと思いますが、固定電話は、電話帳の事業所欄に掲載するためにも必要であったり、初めて仕事を発注する側にとっては、連絡先が携帯電話のみという会社よりは、固定電話があったほうが、安心感が違います。

自宅で仕事をする場合、インターネット回線も引く必要がありますが、光回線を使った契約の場合、“光電話”で電話を引く事が多いと思います。インターネット回線を利用した電話ですが、IP電話とは違い、銅線(メタル回線)を使った昔からの電話と同等の音質を持っており、法的にも電話とみなされるため、電話回線事業者は、年中無休でトラブルサポートを提供する事になっています。また、もう一つ回線を増やす事も可能で、月額、+数百円程度で電話回線とFAX回線を引く事ができます。

Wi-Fi回線について

現代の仕事では欠かせなくなったインターネット。最近はLANケーブル(有線)より、Wi-Fiは無線でネットを利用する機会が増えていると思いますが、共用のレンタルオフィス等を使う場合は、Wi-Fiを使っている所が多く、スマートフォンやパソコンも無線で利用できます。Wi-Fiを設置してある室内であれば何処でもネットが使えます。自分で、部屋を借りて事務所を始める場合は、ネットの契約が必要ですが、Wi-Fiは設定しておくと良いでしょう。最近のプリンターやタブレット、パソコンなどは、Wi-Fiを利用してネットワークのように活用できるようになっており、同じWi-Fiに接続していれば、何処からでもプリントしたり、スキャナーで取り込んだデータをサーバー上に保存したり、数台のパソコン間でデータの受け渡しが行えたりします。昔はLANケーブルなどの有線でパソコンや機器類を結んで管理していたため、配線まみれになっていましたが、現在では電源ケーブル以外は使わないで良いようになっています。

 

デスクや椅子、パソコン、アプリケーション

デスク等

場所が決まったら、作業するためのデスクや椅子が必要です。デスクは、パソコン作業用の小さなものから、事務作業なども行える大きめのもの、どちらか選びますが、出来れば作業用テーブルがあると便利です。私の場合ですが、資料を広げてアイデアスケッチを描いたり、大きなカッティングマットを敷いて製本やパネル制作、紙の断裁などの作業を行うこともあります。椅子については、デザイン関連の場合デスクワークが中心なので、座り心地の良い椅子を購入しがちですが、仕事の効率を考えると座り心地より作業に集中出来るタイプの方が良いですね。リラックスするなら休憩用のリクライニングチェアーなどがあればいいですね。

そして、メインで使用するパソコンですが、種類や仕様は業種によりますが、WindowsPCが一般的ですが、クリエイターならMac(Macintosh)を利用する人も多いようですね。そもそも独立するぐらいなので、パソコンぐらいは持っている事が多いと思いますが。クリエイティブ関連の場合は、アプリケーションも購入する必要があるかと思います。

Adobe IllustratorやPhotoshopについては、会社や学校で使っていたと思いますが、独立した場合は、自分で契約する必要があります。AdobeCC(Creative Cloud)や、Microsoft Office など、仕事内容によって購入します。学生教職員用の割引価格で購入方法もあります。Adobe製品に関しては、ネットの専門学校と簡易な契約をして、安く購入する方法もあるようです。

 

スモールオフィスは複合機1台で十分

複合機

その他、周辺機器が必要です。私のようなグラフィックデザイナーとして独立した時の場合、独立時に周辺機器として購入したのは、スキャナー(写真等紙の画像をデータ化する機器)、プリンター、FAX、コピー機です。当時は、業務用の大きなスキャナーと、同じく業務用の大きなコピー機兼FAX機、業務用のレーザープリンターです。レーザープリンターは、トナー式の本格的なカラープリンターで、当時破格の20万円程度で購入し、FAX付コピー機は中古で7万円ほど、スキャナーも数万円した記憶があります。パソコン関係と合わせるとかなりの高額になってしまいましたが、現在の業務では、これらの機器は使っていません。使用頻度や使用状況が変わってきた事もありますが、個人事業主として小規模に仕事をするのであれば、複合機が適していたようです。複合機といっても、高額なものから一般利用の低価格なものまで色々あります。私が利用しているのは一般的な価格のもので、数万円以内で購入できます。機能は、インクジェットカラープリンター(B5〜A3サイズまで)、スキャナー、カラーFAX、カラーコピー、と必要な機能は揃っています。画像の読み込みや書類関係のプリント程度ならこれで大丈夫です。FAXはデータ受信するので、不要な営業FAXをいちいちプリントせずに削除することもできますね。最近の機器は高性能で助かります。Wi-Fiで繋がるため、電源と電話線のみ繋げば何処に置いても使用できて、省スペースですみます。

 

名刺

名刺

あと、営業活動には名刺が必要です。名刺は仕事を始めた事を伝える大切なツールですので、必ず作っておく必要があります。人脈を増やしていく事は、これから長く事業を続けていく上で、とても重要な事の一つだと思います。

また、頂いた名刺をしまっておくだけでなく、営業のメッセージをDMで送らせて頂いたり、移転等の大切なお知らせを送らせて頂いたりする時にも利用できます。

また、名刺は会社の顔とも言われていますので、個性的なものや、思いのこもったデザインにしてみるのも良いかもしれません。自分の写真や似顔絵を入れても良いかもしれませんね。

こういった特別な名刺をご希望の場合は、ぜひアド・クリップへご相談下さい。

 

その他事務用品・封筒・書類 等

事務用品

その他事務用品は、必要な時に必要なものを購入します。封筒や書類関係は、市販の物を購入して使っても良いのですが、ロゴや住所を入れたオリジナルの封筒や書類を作ると良いかもしれません。刷り込み印刷と言って、既成の封筒の上に後から印刷する事が出来ます。ネット印刷を使えば低価格で印刷可能です。また、私の場合スタンプを利用しています。封筒類や領収証の住所と会社名等を記載する時に使っています。詳細は過去の記事「月末です。全部1人でやってます。フリーランスの請求書の発送作業」をご覧ください。

開業届け

開業届

起業・開業するときに、所管の税務署に開業届けを出しましょう。開業届は必ず出さなければならないという訳ではありません。これから事業を始めます。と宣言するようなものだと言われています。届けには“屋号”(会社名)を考えて、入れる必要があります。屋号を決めることで、事業を始めるぞ!というモチベーションにも繋がりますし、名刺やホームページにもその屋号を使うことができます。

また、税務署より確定申告の資料が送られてきます。

 

確定申告をしましょう

確定申告

開業届を出すことで、税務署より確定申告の資料が届くようになります。確定申告の無料相談なども行われているので、サポート受けることが出来るようになります。また、開業届を出すことで“青色申告”が出来るようになります。

日本で事業活動を行い、一定以上の収入を得た場合、必ず納税処理をする義務が発生します。一定以上の収入がありながら納税をしないでいると、税務署に調べられ、滞納扱いとなり、延滞税や無申告加算税が追加でかかります。さらに放置すれば最悪資産の差し押さえ等の処理を行われてしまう可能性があります。

独立後は、“屋号”を決めて、開業届を行い、出来れば青色申告にチャレンジすると良いでしょう。青色申告では、帳簿をつけるなど、ある程度の経理の知識が必要になりますが、確定申告ソフトを利用して申告を行えば一般の人でもある程度簡単に出来るようです。(ある程度の勉強は必要です)これにより最大65万円の所得控除や、赤字分を翌年に繰り越せます(三年間)。また、青色専従者給与として、家族を従業員とし、給与分を経費として計上できる制度も利用できます。奥さんを青色専従者にすれば、控除額を大幅に増やし、納税額も減らすことが出来ます。他にもいつくかの優遇があるようです。

 

編集後記

今回は、起業・開業をテーマにしてみました。私も十数年前に開業し、それなりに色々と勉強してきた事ですので、多少は役に立つ情報があるかと思い記事にしてみました。

毎年、沢山の人が独立開業していく事で、世の中に新しい会社が生まれています。始めた時は1人からですが、多くの開業の中から有力な企業が生まれます。そういった意味では、こういった記事も少なからず日本経済にプラスになったかも、と思っています。

独立後、結構な時間が経過しましたが、まだ開業時に夢に描いたようには、全くなれていません。これからの20年(20年で67歳になります)で、アド・クリップも大きく成長出来るように頑張らねば!とあらためて思います。

明日も記事を更新予定です。次回のクリエイティブマガジンもお楽しみに!

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