筆文字・手書き文字・タイポグラフィーについて

筆文字・手書き文字などタイポグラフィーについて

今回は、筆文字・手書き文字についての話になります。書道などとは違い、今回はデザイン化された文字を、手書きで作成したものの話になります。グラフィックデザイン的に美し文字デザインの事です。

実際に書道と、明確に区分けられているものではありません。書道家やデザイナー、イラストレーターなど、アナログの表現が得意な人が作る事が多いようです。

私の場合は、そもそもが、左利きというのもあり、子供の頃から書道は得意ではなく、文字を書くこと自体苦手です。それは今になっても変わらず、自分の文字には自信が全くありません。

しかし、グラフィクデザインの仕事をするうえで、避けて通れない“手書き文字”。

下手でも数で勝負!という気持ちで、ごまかしごまかしなんとか仕上げてきました。手書き文字を、デザイン物として見れば、良いデザインをつくることなら何とかなります。

過去の筆文字制作事例

ゆずみつ

はちみつの会社からの依頼で作成したラベル用の文字です。

里山はちみつ

こちらも同じくはちみつの会社の商品ロゴです。

直ちゃんのうまか九州おでん

おでんのロゴタイプとイラストカットです。
これは佳代さんが書いたものですね。

デザイン書という分野について

うなぎ

そもそも書道が苦手なのと、タイポグラフィーとしてのデザインでは、考え方が違うのか、何となく書くことは苦ではありません。書いてて楽しいぐらいですね。しかし書道となると決まり事も多く、自由に書くというのが難しい印象があります。しかし実際は、“デザイン書”など、手書き文字と書道を合わせたようなジャンルもあり、書道の美しさと、デザインの自由さを合わせたタイポグラフィーの世界があるようです。和風のロゴなどに利用されているようです。

 

手書き文字【デザイン書】の描き方

プロのクリエイターを差し置いて、苦手な私が解説するのも恐れ多いのですが、デザイン物を作っていく上で、どうしても、筆文字は必要になることが多いので、今回、作成方法だけでもご紹介したいと思います。

1.とにかく書いてみる

最初の書き始めの頃は、上手に書けるか自信が無く、全く筆がすすまない状態になる事がありますが、書道とは違い、一文字一文字バラバラに書こうが、どんな書き方であれ、自由ですので、とにかく好きなように沢山書いてみる事です。

その時に、一つだけ重要な点があります。書道との違いは、「完成イメージを明確にしておく事」です。完成のデザインイメージです。これはデザイナーが、紙面の仕上がりやビジュアルのイメージを固めておく事と同じで、見せ方や美しさを“演出する”構図を考えておきます。あとは、ひたすら書きまくる。私の場合、安い墨汁とコピー用紙などを使って、沢山書きます。

筆書き

用紙に筆で書いてみます。書き方は自由。

2.スキャニングし、データ化します。
[スキャニングとは、写真などをスキャナーという機械を使い、画像データとして取り込む事です]

1スキャニング画像

3.Adobe Illustratorで、データをベクター画像化します。

取り込んだ画像は、Adobe Illustratorに配置します。通常画像データは、Illustratorの“ファイルを開く”から、貼り付ける事ができます。読み込んだ画像は、「画像トレース」→白黒ロゴ、等で自動トレースされます。

 

2 画像トレース

 

トレース完了後は、「拡張」で、ベクター画像化されます。

拡張

ベクター画像化された、デザインデータは、印刷等様々な所で利用出来る、ロゴタイプとして活用できるデータになります。

[ベクター画像とは、アンカーと呼ばれる点と点を繋ぐパス(線)で結ばれた図形の事で、軽量で美しい線や面の表現が出来ます]

 

カリグラフィーについて

カリグラフィー

カリグラフィーとは、西洋の書き文字といった所です。中世の時代から美しい書き文字表現方法として使われていたものが、現在でも、タイポグラフィーデザインの一つとして使われています。実際に手書きで“カリグラフィー”が出来る人は、元々筆文字と同じ、書き文字の一つなので、上記と同じ方法でデータ化する事ができます。

パソコンで利用出来るフォント以外に、手書きで作れる文字をデザインする、書き文字やカリグラフィーは、自分で好きな表現が可能な事と、手書きの“味”のある書体を生み出す事が出来ます。

タイトルデザインやロゴタイプ、デザインの様々な要素に利用でき、デジタル上のフォントから作られたデザインと比べて、より個性的で独特の仕上がりになります。ようは“アナログの良さ”を感じられるタイポグラフィーです。

手書きのデザインは、少し難しいですが上手に表現出来るようになれば、自分独自のデザインを生み出せるようになってきます。今後の勉強として、他の優れたクリエイターの作品を多く見て、実際に沢山書いてみることで技術は確実に上がっていくと思います。

 

編集後記

本日の記事は、タイポグラフィーをテーマにしようと思っていたのですが、タイポグラフィーといっても、書くことが様々で何を書こうか迷ってしまいましたので、今回は手書き文字の話しにしてみる事にしました。そもそも私は手書きが苦手なので、あまりご紹介出来るほどの作品がありませんので、技術的な面を少しご紹介いたしました。デザイン書に精通している人であれば、もっと詳しい事を知っているのかと思います。もし、この記事で興味を持たれた方がいたとしたら、もっともっとレベルの高いクリエイターの作品などを参考にしてみて欲しいです。

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