第2回 アド・クリップ デザイン講座
DTPとは?DTPデザイナーについて
グラフィックデザイナーの仕事の中で、重要な技術にDTPオペレーションがあり、
DTPオペレーターとデザイナーの違い、わかりにくい。と感じることもあるかと思います。
今回はグラフィックデザイナーとDTPオペレーターの話です。
DTPについての話
DTPといえば、DTPオペレーターとは別に、専門学校などで、時々DTPデザイナーコースという名前で、授業を行っている学校もあるようです。いまいち明確な答えも見つからない所も多いDTPを行う職種について、実際に僕が思う、現場での認識をお話したいと思います。
まず、【DTP(Desktop Publishing)デスクトップパブリッシング・卓上出版】という言葉は、20年ほど前からちょくちょく聞き始めた言葉だと思います。
歴史的には、アメリカ最大のグラフィックソフトウェアメーカーである、Adobe社で発売されていた、ページ編集のためのソフトウェア、『ページメーカー』からはじまり、『Quark社のQuarkXPress』 、『Adobe社のInDesign』へと、グラフィック編集ソフトの系譜があり、このソフトウェアを利用した作業をDTPと読んでいたようです。また、その中でも主にページのレイアウト編集から印刷までの一貫したデジタル作業全般を、現在はDTPと呼ばれるようになったようです。
また、私が経験した事として、一般的に認識されている『DTP』のはじまりは、1990年代のはじめ頃(私も新人デザイナーとして版下作業をせっせとやっていた頃)、現在はiPhoneで有名なアップルの主力商品であるMacintoshが、DTPの始まりを支えていました。アプリケーション(Illustrator・Photoshop)は元より、OS(漢字Talk7)、フォント(書体)の環境にいたるまで、すべてMacintoshだけがDTPの作業環境を作ることができました。そのため、DTPオペレーターの事を、Macオペレーターなどと呼ばれる事もあります。
構成やアイデア、デザイン、DTP作業にいたるまで、グラフィックデザイナー1人の作業負担を増やして行き、それを支えるための業務として、『デザイン』と『DTP』に作業が分化されていったのかと思います。さらに詳しく言えば、デザイナーのレイアウト作業と、版下屋の版下作業(台紙に写植文字を貼ったりする作業)。この版下がデジタル化されるにあたり、版下担当者の一部が、DTPオペレーターとなっていく事になります。
主にDTPの主戦場としては、冊子類があります。数百ページにのぼるカタログなどを、正確に、効率よく、図表、画像、テキストを入力していき、様々な設定をしていく作業は、決まり事も多く、専門スキルが必要となります。
またフレックスタイムを利用している会社も多く、24時間対応のオペレーションを行う事も可能で、大手の印刷会社などは、大人数のチームで24時間フル稼働している所もあります。
それから現在までの、20年ほどの間に、DTPのオペレーション技術レベルは上がってきており、複数のアプリケーションを使用して、確実に印刷物を仕上げていく、とても重要な仕事になっています。
グラフィックデザイナーとDTPオペレーター
グラフィックデザイナーとDTPオペレーターの話にもどりますが、元々『DTPデザイナー』という職種は、私達の現場では使っていなかったと思います。元々、グラフィックデザイナーの仕事領域であったDTPの部分が、分化していったもので、特色として、1人のデザイナーが考え、作っていく【デザイン】の部分と、比較的、複数の人間が行っても問題ない、ルーチンワーク的な業務がDTPオペレーターの業務となっていると思っています。
主に、企画→アイデア→レイアウトなどの感覚的な作業をグラフィックデザイナーが。
画像の配置や文字入力、印刷設定、確定したレイアウトや表組みなどの作業をDTPオペレーターが。
DTPオペレーターは複数でのチームで、大規模な作業を短時間にこなせるが、デザイン的な要素については、基本的に行わない。
こういった棲み分けで成り立っていたのですが、現在では、専門学校などのコース名などから始まった、DTPデザイナーという職種名についても、時間の経過と共に段々と認知されてきており、印刷専門のデザイナー的な立ち位置で考えられる事が多くなっている気がします。
様々な種類のモノづくりをする、グラフィックデザイナー業務の多様性が、DTPデザイナーや、その他にも様々な専門デザイナーを生み出し、ちょっと複雑な感じになってしまっているのかもしれませんね。
DTPオペレーターの主なスキル
基本アプリケーション:
Adobe Illustrator 文字の組版(文字をバランス良く組んでいく作業)やパスを使った図形のトレース、マップ制作等。
Adobe Photoshop 明るさ・色補正、レタッチ(画像の修正)、適性なカラーモード変換(CMYK)、解像度の変更等。
ページ編集アプリケーション:InDesign
QuarkXPressなどは現在はほぼ使用されなくなっています。
印刷データの作成スキルも重要です。
写真分解(スキャニング)・入稿用のデータ作成 ・冊子印刷の場合は、面付け作業なども場合によっては必要となります。
就職や転職について
最後に、グラフィックデザイナーなどのクリエイティブ系の仕事をやってみたい方が、最初に就職する分野としてもDTP業界は有力で、募集をしている企業の数も、募集人数も比較的多く、Illustrator・Photoshop、組版(文字をバランス良く組んでいく作業)の基礎技術がしっかりしていれば、技術的には十分戦力として働くことがす出来ます。
デザイナーの業務の一部でもある、DTP作業の高いスキルをもった人材は、クリエイティブ系への転職にとても有効な人材です。印刷会社やDTP業者などで経験を積んでから、クリエイティブ系職種に転職、その後、独立しCGデザイナーやイラストレーターなど、グラフィックデザイナー以外の職種にも多くの人たちが転職しています。
半年〜数年技術を磨いていけば、デザイン業界への転職に対して道が開けますので、デザイン系の学校を卒業した場合の就職先としても、有力な職種といえます。
★今後の記事の中で、DTPの印刷技術に関する内容も書いていきたいと思います。
今後のデザイン講座予定
★クリック!で下に表示★ デザインに関する授業予定。変更する場合もあります。
- グラフィックデザインの必要性。誰にとって必用なスキルなの?
- DTPとは? 必要なノウハウや業界について
- DTP/宣伝用チラシやポスターを自分で作れるのか?
- DTP/デザイナーから見る 印刷技術・印刷業界について
- DTP/【フォント】書体・文字・組版について
- DTP/印刷入稿時のデータチェックについて
- DTP/専用アプリケーション(Adobe Illustrator.Photoshop)について
- WEBサイト/ホームページは自分で作れるのか?
- WEB関連/ブログパーツやバナー制作等
- WEB関連/CMSについて WordPress活用法
- WEB/WordPressをつかったホームページ制作※技術レクチャー〈不定期掲載〉
- Adobe Photoshopテクニック1
- Adobe Illustratorテクニック1
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しかし、学び始める際にはいくつかのハードルが立ちはだかります。
学校や書籍、ネット上の情報は、時には難しく感じられ、成果が得られないのではないかと不安に感じることもあるでしょう。
そこで、私たちは効果的な学び方を提案します。
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代表 大津山 倖雄
クリエイティブディレクター
アートディレクター
Webディレクション、イラストレーション他、専門学校講師
1973年生まれ。福岡市で広告企画・制作に携わり30年以上。大手広告代理店の下請け会社で、グラフィックデザイナーを経験。その後、福岡の制作会社や広告代理店勤務を経て、平成18年4月に退職し、19年には個人事務所として独立。同時期、福岡デザイン&テクノロジー専門学校(旧 福岡コニュニケーションアート専門学校)にて講師契約。現在は、グラフィックデザイン、イラストレーション、WEBデザイン、WEBマーケティングに携わり、様々なクリエイターと共に制作を中心に業務を行っている。